遊びながら学ぶプログラミング

体を動かして学ぶプログラミングのきほん グループで楽しむロボット遊び

Tags: オフライン, プログラミング思考, アルゴリズム, グループ学習, 体を動かす遊び

はじめに

プログラミングと聞くと、コンピュータの画面に向かって複雑な英数字を打ち込む様子を想像されるかもしれません。しかし、プログラミングの核心にあるのは、「物事を順序立てて考え、正確な指示を出す力」、すなわち「プログラミング思考」です。この思考力は、日常生活の様々な場面で役立つ汎用的な能力です。

特に、子供たちがこの「プログラミング思考」を学ぶ上で、必ずしも高価なツールや専門知識が必要なわけではありません。身近なものや、あるいは自分の体を使うだけでも、楽しく効果的に学ぶことができます。本記事では、準備が簡単で、複数人(グループ)で協力しながら、体を動かしてプログラミングの基本概念に触れることができる「ロボットプログラミング」遊びをご紹介します。

体を動かす「ロボットプログラミング」遊びとは

この遊びは、参加者を「プログラマー役」と「ロボット役」に分け、プログラマー役がロボット役に対して、ある課題を達成するための「指示(プログラム)」を出すというものです。ロボット役は、その指示に正確に従います。

例えば、「椅子まで行って座る」という課題があるとします。プログラマー役は、ロボット役が椅子にたどり着き、座るために必要な一連の指示を考え、ロボット役へ伝えます。

遊び方のステップ

この遊びは、使う場所と参加者がいればすぐに始められます。特別な道具はほとんど必要ありません。

  1. 役割分担: 参加者の中から「プログラマー役」と「ロボット役」を決めます。最初は少人数で、慣れてきたらグループに分け、プログラマーチームとロボットチームにすることもできます。
  2. 課題設定: ロボットに何をしてほしいか、簡単な課題を設定します。
    • 例: 「部屋の隅にあるコップを取りに行く」「テーブルの上の消しゴムをゴミ箱に入れる」「特定の場所から特定の場所へ移動する」
  3. 指示(プログラム)作成: プログラマー役は、設定された課題を達成するために、ロボット役が実行すべき具体的な指示のリストを作成します。指示はできるだけ細かく、あいまいさがないように考えるのがポイントです。
    • 例: 「右足を一歩前に出す」「左足を一歩前に出す」「右に90度回る」「手を伸ばす」「物を持つ」「しゃがむ」「立ち上がる」など。子供たちの理解度に合わせて指示の種類を増やす、あるいは限定することも可能です。
  4. 指示の実行: プログラマー役が作成した指示を、順番にロボット役へ伝えます。ロボット役は、その指示通りに体を動かします。指示が不明確だったり、順番が間違っていたりすると、ロボット役は目的を達成できません。
  5. 結果の確認と修正(デバッグ): ロボット役が目的を達成できたかを確認します。もし失敗した場合は、なぜ失敗したのか(指示が足りなかった、指示の順番が間違っていた、指示があいまいだったなど)をプログラマー役とロボット役、そして他の参加者で一緒に考え、指示リストを修正します。この「間違いの原因を見つけ、修正する」過程が、プログラミングにおける「デバッグ」の体験となります。
  6. 役割交代と繰り返し: 役割を交代したり、新しい課題を設定したりして遊びを繰り返します。指示を出す側、正確に指示を聞いて動く側、両方を体験することで、多角的に学びを深めることができます。

グループでの取り組み方

この活動は、グループで行うことでより多くの学びが得られます。

この遊びから学ぶこと(教育的意義)

この単純な遊びの中には、プログラミングの基本的な考え方や、将来に役立つ様々な能力を育む要素が含まれています。

まとめ

「体を動かすロボットプログラミング」遊びは、特別な道具や専門知識がなくても、子供たちが楽しみながらプログラミング思考の基礎を身につけることができる素晴らしい方法です。準備は簡単で、少人数から大人数まで、様々な年齢の子供たちが一緒に楽しめます。

この遊びを通じて、子供たちは物事を順序立てて考える力、問題の原因を見つけて解決する力、そして他者と協力して目標を達成する力を育むことができます。これは、将来コンピュータを使ったプログラミングを学ぶ上でも、またそれ以外の様々な活動においても、必ず子供たちの力となるでしょう。ぜひ、お孫さんや地域のお子さんたちと一緒に、気軽にこの「体で学ぶプログラミング」を体験してみてください。