簡単スタート!プログラミングカーで楽しむ協力ミッション グループで学ぶ手順と考え方
プログラミングカーで始める「協力ミッション」
子供たちが遊びながらプログラミングの考え方に触れる方法は様々ありますが、物理的に動くものを扱うプログラミングカーは、視覚的にも分かりやすく、子供たちの興味を引きやすいツールの一つです。特定のプログラミングカーは、タブレットやパソコンから簡単な指示(プログラム)を送ることで、指定した通りに動き、光り、音を出すことができます。
プログラミングカーを使った活動は、一人で楽しむこともできますが、複数人で協力して一つの目標を目指す「協力ミッション」にすることで、プログラミングの学習だけでなく、コミュニケーション能力や協調性を育む貴重な機会となります。準備や操作が比較的簡単であるため、プログラミングの専門知識がない大人でも安心して子供たちの活動をサポートすることができます。
この活動の魅力は、技術的な難しさよりも、どのようにすれば車が思い通りに動くかを考え、それを友達と共有し、協力して実行することに重点がある点です。グループで一緒に考える過程で、自然と論理的思考力や問題解決能力が養われます。
協力して取り組む具体的なミッションアイデア
プログラミングカーを使った協力ミッションは、簡単なものから少し工夫が必要なものまで、子供たちの年齢や習熟度に合わせて様々な設定が可能です。ここでは、いくつかの具体的なアイデアをご紹介します。
アイデア1:障害物コースをみんなで突破
床にマスキングテープなどで簡単なコースを描き、途中に積み木や箱などの障害物を置きます。グループで協力して、プログラミングカーがスタートからゴールまで、障害物を避けながら無事にたどり着くためのプログラムを考えます。
子供たちは、 * コースを観察し、車の進むべき順序を話し合う。 * 「前に〇マス進む」「右に〇度曲がる」といった命令をどのように組み合わせるか考える。 * 役割分担をして、一人が指示を出し、別の一人がタブレットでプログラムを入力する。 * 実際に車を動かしてみて、うまくいかなかったらどこが悪かったか(「バグ」といいます)をみんなで探し、修正する(「デバッグ」といいます)。
この活動を通じて、手順通りに考える力(順次処理)、角度や距離の感覚、そして何より、協力して問題に取り組む姿勢が身につきます。
アイデア2:指定エリアへの全員集合チャレンジ
複数のプログラミングカーを用意し、それぞれスタート地点を決めます。床に大きな円や四角形でゴールエリアを設定し、決められた数のプログラム命令内で、すべてのプログラミングカーがゴールエリアに集まることを目指します。
このミッションでは、個々の車を動かすだけでなく、他の車との位置関係や動きを考慮する必要があります。 * どの車から動かすか、あるいは同時に動かすか。 * 他の車の邪魔にならないような経路を計画する。 * お互いのプログラムの進捗を確認し合い、必要であれば調整する。
チーム全体で協力しなければ成功できないため、自然と声を掛け合い、連携することの重要性を学びます。
アイデア3:大きな図形を分担して描く
床にマスキングテープなどで、プログラミングカーで描くには少し大きすぎる図形(例えば、大きな四角形や星など)の線を描きます。グループで協力して、それぞれのプログラミングカーに図形の一部分を担当させて、最終的にすべての線をなぞり終えることを目指します。
このミッションでは、全体像を把握し、それを部分に分解して担当を割り振るという、より高度な思考が求められます。 * 描くべき図形全体を確認し、どのように分割するか話し合う。 * それぞれの担当部分の線をなぞるプログラムを考える。 * 担当同士でプログラムを共有し、線がきれいに繋がるように調整する。
全体を分担する考え方や、自分の担当が全体の成功にどう繋がるかを理解する力が育まれます。
準備するものと簡単な進め方
これらの活動を始めるのに、特別な設備は必要ありません。
準備するもの: * プログラミングカー(メーカーによって操作方法や機能が異なります。簡単なものを選びましょう。) * タブレットやパソコン(プログラミングカーの種類によります。操作が簡単なアプリやソフトを選びましょう。) * 広い床や机の上 * コースやエリアを作るためのマスキングテープやビニールテープ * 障害物になりそうな積み木、箱、ペットボトルなど(身近にあるもので十分です)
簡単な進め方: 1. ミッションの紹介: 今日何をするのか、どのような目標を目指すのかを子供たちに分かりやすく伝えます。グループで協力することが大切であることを伝えましょう。 2. 準備: 床にコースを描いたり、障害物を置いたりします。子供たちに手伝ってもらうのも良いでしょう。 3. 作戦会議: グループで集まり、どうすればミッションをクリアできるか話し合わせます。「どの順番で命令を出す?」「誰がどこを担当する?」など、具体的な計画を立てるように促します。 4. プログラミング: 計画に従って、タブレットやパソコンを使ってプログラミングカーに命令を入力します。 5. 実行と確認: プログラミングカーをスタートさせて、計画通りに動くか確認します。 6. デバッグと改善: もしミッションが成功しなかったら、どこが問題だったのか(バグ)をみんなで考え、プログラムを修正します。繰り返し挑戦することが大切です。 7. ミッションクリア!: 目標を達成できたら、みんなで喜びを分かち合いましょう。難しければ、目標を少し簡単にするなど調整も可能です。
大人は、答えを直接教えるのではなく、「どうすればいいかな?」「何かお手伝いできることはある?」といった声かけで、子供たちが自分で考え、話し合い、解決策を見つけられるようにサポートすることが重要です。
この活動で育まれる力
プログラミングカーを使った協力ミッションは、子供たちの様々な能力を遊びながら伸ばすことができます。
- プログラミング的思考: 目標達成のための手順を分解し、論理的に順序立てて考える力が養われます。試行錯誤を通じて、問題点を見つけ出し(デバッグ)、改善していく力が身につきます。
- 問題解決能力: 予期せぬ動きやエラーが発生した際に、原因を探り、解決策を見つける過程を通じて、困難に立ち向かう力が育まれます。
- 協調性・コミュニケーション能力: グループで一つの目標に向かって協力する中で、自分の意見を伝えたり、友達の意見を聞いたり、役割を分担したりといったコミュニケーション能力が自然と向上します。
- 創造性: 限られた命令の中で、いかに効率よく、あるいは工夫を凝らして目標を達成するかを考える過程で、創造力が刺激されます。
- 粘り強さ: 一度でうまくいかなくても、諦めずに原因を探り、何度も挑戦する中で、粘り強く取り組む力が養われます。
まとめ
プログラミングカーを使った「協力ミッション」は、子供たちがプログラミングの基本的な考え方を学びながら、友達と協力して課題を乗り越える楽しさを体験できる素晴らしい活動です。難しい技術は必要なく、身近なものを活用して手軽に始めることができます。
この活動を通じて、子供たちはプログラムを組む楽しさを知るだけでなく、グループで力を合わせることの大切さ、そして失敗を恐れずに挑戦することの価値を学ぶことができます。ぜひ、お孫さんや地域のお子さんたちと一緒に、プログラミングカーを使った協力ミッションに挑戦してみてください。子供たちのいきいきとした表情と、成長する姿を見ることができるでしょう。